2016年に始まり、2020年ごろから爆発的に伸びている「VTuber」という新たな表現方法。
自分もなってみたいと思う人は多いと思う。
華々しくVTuberデビューしている人をXなどで確認できる ( 検索 ) が、実はVTuberは誰でも無料でなれる。
実際になった人によるなり方を解説する。
この記事では「VTuberは中の人が動かしているもの」というある種の建前を無視しているので気を付けてほしい。
モデルを手に入れる
VTuberといえば「自分の代わりに配信に映るキャラクター」が必要不可欠である。
このキャラクターを「モデル」という。
モデルのほとんどはLive2Dを利用しているのだが、自分はLive2DではなくVRoidを利用している。
VRoidは、BOOTHと呼ばれる創作物マーケットか、VRoid Hubと呼ばれるVRoid共有プラットフォームで探すだけ。
BOOTHなら
カテゴリ:3Dモデル
サブカテゴリ:VRoid ←3Dキャラクターではない
値段上限:0
で検索するとまあまあ出てくる。
ただし、BOOTHでは、衣装の一部だけを無料配布している可能性が非常に高いので、キャラクター全体を配布しているかに注意。
一方でVRoid Hubは、モデル全体を共有するプラットフォームなので、衣装だけの配布、みたいなことにはならない。
VRoid Hubで探すなら、自分が欲しているキャラクターの属性… 例えば「少年」とか「青い髪」とか「猫耳」とかで検索し、検索結果から「利用条件で絞り込む」で「モデル登録者以外の利用OK」などにチェックを入れると、自分でも使えるモデルが出てくる。
しかし、これらの入手方法には大きな欠点がある。
それはキャラクターをアイデンティティにできないという点。
もちろん無料配布しているということは誰でも使えるということなので、そのキャラクターを自分だけのものにすることができない。まあ「変身系VTuber!全ての配信で違う姿に変身できるよ!」みたいなVTuberで売るならワンチャンある。
本気でVTuberになりたいと思っている人はそれは嫌だろう。したがって、無料でVTuberになりたいなら、自分のVRoidを作ることになる。
作るのに使うソフトはVRoid Studio。
操作はそこまで難しくなく、3Dゲームのキャラクタークリエイトを究極に細かくしたような認識で使えると思う。
実際、私のモデルはVRoid Studioで作った。VRoid Hubに公開してある。
モデルを動かす
次に、入手した/作ったモデルをカメラ経由で動かすことになるが、そこで必要になるアプリも無料で手に入る。
自分が使っているのはVSee FaceとVMagic Mirror。どちらも無料。
普段の配信では表情の反映ができるVSee Faceを使い、作業配信の時はキーボードの入力状況を反映できるVMagic Mirrorを使っている。
他にもVRMファイルを動かせるソフトとして3teneFREEやLuppet、Webcam Motion Captureなどがあるが、自分が使っているのは上記の2つ。
なお、VTuberがよく使うソフトとしてFaceRigがあるが、あれはLive2Dを動かすソフトなので今回は違う。詳しく比較・検証する記事は近日中に書く予定なので、気になる人は七津シュウのXをフォローしておいてほしい。
配信する、録画する
この時に使うソフトはOBS Studio。もちろん無料。
というかOBS Studioは優秀すぎて誰でもこのソフトを使っている。
編集する
配信したアーカイブなどを動画編集するために使うソフトとしては、Adobe Premiere Proが有名かつ最強。
でもありえん高いので、代替案としてはAviUtlかDaVinci Resolveがある。どちらも無料。
どちらも極めれば有料ソフト顔負けの映像が作れるらしい。
自分はDaVinci Resolveを使ったことが無いので責任が取れないので「らしい」をつけている。
AviUtlなら有料ソフト顔負けの映像が作れる。作った→ https://youtu.be/6VrjayhM2Jc
自分はAviUtlを7年ほど使い、Premier ProとAviUtlの両刀になった。
CGやモーショングラフィックスなど、「動画編集」というよりは「映像制作」みたいな内容だと、Premier Proには任せられないことが多いのでAviUtlもたまに使う。まあAdobe After Effectsを使えばいいんだろうけど、AEの勉強が嫌でAviUtlに逃げている。
その他、素材を手に入れる
もちろん著作権フリーの無料素材サイトを使う。
BGMや効果音ならDOVA-SYNDROME、効果音ラボ、騒音の無い世界、OtoLogicなどを使っている。
画像ならいらすとや、O-Dan、PhotoACなどを使っている。最近だとCanvaのAI生成も便利らしい。自分はたまにChatGPT PlusのDALLE3でAI生成している。Adobe FireflyはDALLE3に勝てている印象が無いので使っていない。
VTuberとしての衣装や背景を探すならBOOTHも便利だと思う。
デメリット:華々しいデビューはできない
無料で全てを揃えるということは、誰にも知られずに全てを揃えられると言うこと。
それは一見良いようにも聞こえるが、大きなデメリットも抱えている。
それが、「派手にデビュー配信をすることはできない」ということだ。
よく自分のTLには「〇〇さんの衣装担当しました!」や「〇〇さんの配信待機映像作りました!」みたいなポストが流れてくるが、そのポストは衣装制作者や映像制作者が仕事しましたというだけでなく、衣装を着る人、配信待機映像を使う人の宣伝も込められている。
その衣装を着た人が有名になれば衣装を作った人にさらなる仕事が舞い込んでくる可能性もあるので、もちろんある程度は応援もしてくれるだろう。
知名度ゼロの人間にとって「ある程度影響力のある人が拡散してくれる」ことはとんでもなく強い。
その恩恵を得られなくなるため、無料でVTuberデビューしても誰も見てくれない。
なので、デビュー記念配信なんてものはできない。
ただ、それでもなることはできるし、そこから自分を伸ばす方法なんてものはいくらでもある。
とにかく「お金が無いからVTuberになれない」というのは間違っているという認識を持ってほしい。
そして、これを読んでいる人のまわりに「お金が無いからVTuberになれない」と口にしている人がいたら、この記事を読ませてあげてほしい。
誰か一人だけでも、読んだ人の参考になったら嬉しい限りである。